【R+】COURRiER Japon 2010 年 3 月号「貧困大国(アメリカ)の真実」

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COURRiER Japon ( クーリエ ジャポン ) 2010年 03月号 [雑誌]

COURRiER Japon ( クーリエ ジャポン ) 2010年 03月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/02/10
  • メディア: 雑誌



レビュープラスさんからの献本、クーリエ・ジャポンです。クーリエ・ジャポンのレビューを書くのも4回目となりました。
今回の特集はアメリカです。そのアメリカがどうして貧困大国?このタイトルを見て、単純になぜと思いました。一般的なアメリカのイメージは自由と平等の国、アメリカンドリーム、世界第一位の経済大国のイメージです。しかし、そのアメリカに潜む「貧困」の部分を「ルポ 貧困大国アメリカ(岩波新書)」を手がけた堤未果さんの責任編集で今回記事となっています。
オバマ大統領が誕生したのはちょうど1年前。Changeを公約に挙げ、実際何かchangeすることを期待した国民により大統領になりましたが、現在の支持率は50%。国民の半数がオバマを指示しない、という事になります。リーマンショック以降に続く不景気と医療改革がうまく行っていないことが原因のようです。
ここで堤さんがアメリカが貧困と言わしめる理由、キーワードは「医療保険制度」「大学授業料の高騰」「刑務所ビジネス」です。特に私は医療保険制度と大学授業料の高騰に対し、非常に興味がわきました。
日本は会社で働いていれば社会保険、自営業だと国民健康保険が医療費を補助します。しかし、アメリカにはこのような国がサポートする医療保険がなく、私企業の医療保険に加入するのが通例になっています。高齢者、低所得者、障害者に対してはメディケア、メディエイドの国からの保険があるのですが、ここで問題になっているのが、低所得者にカテゴライズされるほど、貧しくはないが、私企業の医療保険に加入するのが経済的に不可能な人たちです。このような人たちに対して無保険状態になってしまうのが問題となっています。
また、そうでなくてもアメリカの医療費は日本の何倍も高く、無保険で払えるものではありません。アメリカの考えは、医療も自分の経済力で保証しなさい、という競争原理からくる考えなのではないかと思いました。いい医療はまずいかに保険料をかけられるかで、その保険料を稼ぐためにはそれ相当の労働賃金をもらえるように頑張りなさい、とも捉えました。しかし、一つ言えることは、例えば勉強などは頑張ったら頑張っただけ報いもあると思いますが、病気になる確率はお金持ちも貧乏人も同じです。そして、貧しくても容赦なく高額な医療費を請求し、医療費のせいで破産しても知らない、というアメリカ政府。これは問題にならないはずはありません。
日本はこの辺、どうなっているかというと、政府がいろいろ補助してくれる機構が整っている方だと思います。私は母親をがんで亡くし、父親も脳梗塞の長期療養中で医療費に現実的に向き合ったことがあるのでわかるのですが、医療費3割負担の中で、国民健康保険の場合は、月8万円を越える医療費を払う場合は、国が高額医療費を補助してくれます。これは、例えば月に100万円の医療費がかかった場合でも、自己負担は8万円で済むのです。また、私の会社の医療保険をみてみますと、月2万円を越える場合は会社の健康保険から保障されます。更に70歳を超えると所得額によりますが2万5千円、4万5千円、8万円のみ負担となり、日本は意外と少ない医療費の自己負担の国と言えると思います。これがアメリカになったら、保険に入ることができない人たちは医療費借金を被るか、医療費のかからない医療しか受けられないことになります。国によってのこの違いはあまりにも不公平と感じます。
アメリカもそんなに頭の悪い国ではないのですから、どうして、医療保障で成功している先進国、例えば、お隣のカナダやイギリス、フランス、日本などのケースを真似しないのか、と思います。しかし、そう簡単に変えられない社会になってしまっているのがアメリカです。医者(病院)と会社の間に入っている医療保険会社、医薬品会社の中間マージンの増加という問題を打破しない限り、アメリカの保険制度は改善されません。堤さんの記事で触れられていましたが、アメリカの医療保障をchangeすると言っていたオバマでさえ、過去の政治家と同じくらいの金額の政治献金~日本円にすると18億円~を医療保険会社や医薬品会社から貰っていた、というのはショックなことでした。病人から搾取した医療費で医薬・医療保険会社が儲かり、それが政治献金になり、政治家が儲かっている、この悪のスパイラルが崩れない限り、アメリカは国民皆保険の法案が通るのは不可能でしょう。オバマにはぜひそこの部分から掘り下げて改革してもらいたいものです。
もう一つ、興味があったトピックスは「アメリカの大学授業料の高騰」です。アメリカといえば、留学生には授業料が高いイメージで、州内学生には安い授業料を払えばよいと思っていたのですが、最近は授業料の高騰が続いているそうです。バージニア州の例を上げていますが、10年前は州内学生は年間4000ドル、州外学生は17000ドルの授業料だったのが、今は州内が1万ドル、州外が3万2000ドルの授業料。2倍以上の高騰です。国民の平均収入が2倍になっているわけがありませんので、その経済負担を中流家庭は学資ローンに頼ることになりますが、この学資ローンも政府保証のものでも金利が年6.8%~8.5%になります。家のローンの金利より高いローンを、大学に行くために払っているのがアメリカの現状なのです。日本の旧育英会も第1種は金利0、収入制限のゆるい2種でも3%で、それに比べるとべらぼうに高いです。また、日本は国立大学は授業料免除の制度もありますし、選ばなければ、国立大学の寮は月1万円以内で住めるような所もありました。アメリカも州立大学なのに、もっともっと厳しい経済状況だ、というのがひしひしと伝わってきました。
アメリカといえば、最高の医療、最高の教育を受けられるものだとおもいましたが、何にでもお金が必要、そう思わざるを得ませんでした。日本のせせこましい、働きアリのような生活を打破するために、アメリカの生活もいい、と思ったことがありましたが、特に今後歳を取るにつれて、避けられない医療保障の問題を考えると、アメリカは躊躇してしまします。
またしてもクーリエ・ジャポンによって気付かされた今月号でした。もう献本のチャンスもないかもしれませんので、これは来月から定期購読を考えたいと思います。
最後に、堤未果さんの書籍、これも今回のクーリエ・ジャポンの特集に興味を持った人は読んでみるといいかもしれません。私も読んでみたいです。

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 新書




コミック貧困大国アメリカ

コミック貧困大国アメリカ

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2010/01/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)

ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)

  • 作者: 堤 未果
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2010/01/21
  • メディア: 新書



重ね重ね、クーリエ・ジャポンさん、レビュープラスさん、献本ありがとうございました!

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