【R+】フォーリン・アフェアーズ・リポート 2010. No.4

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フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年4月10日発売号

フォーリン・アフェアーズ・リポート2010年4月10日発売号

  • 作者: ニオール・ファーガソン
  • 出版社/メーカー: フォーリン・アフェアーズ・ジャパン
  • 発売日: 2010/04/10
  • メディア: 雑誌



レビュープラスさんより献本していただきました。いつもありがとうございます。
フォーリン・アフェアーズ・リポートですが、どんな雑誌か全く馴染みがありませんでした。ホームページを見てみますと、米外交問題評議会(CFR)が発行する外交専門誌であり、米外交、国際政治に絶大な影響力を持つことで知られる外交問題評議会のフラッグシップ・ジャーナル、とのことです。ぱらぱらと読んでみると、経済の論文を読んでいるような感じでした。
4月号の目次は以下のようになっています。
・複雑系の崩壊は突然、急速に起きる
・特集1 米中経済紛争は避けられないのか?
 - 中国の人民元切り上げの先送りはもう許されない
– 輸出を増やすのは為替か貿易自由化か
    ―環太平洋パートナーシップの実現を
– 米中貿易摩擦を回避せよ
– 人民元レート切り上げの是非を問う
– なぜ対中報復関税が必要か
    ―シューマー・グラハム法案の真意
・特集2 核拡散のティッピングポイント ―イラン―
– 核武装後のイランにどう対処するか(後編)
– もしイスラエルがイランを攻撃すれば
– 「核のない世界」の今後を左右するイラン
・さらなる台頭を目指すインドが克服すべきハードルとは
   ―政治、経済的台頭と対米関係
・金融危機後の世界のエネルギー市場を見通す
・ルイ14世からアフガンは何を学べるか
   ―アフガンに近代国家を誕生させるには

興味深かったのは、最後の「ルイ14世からアフガンは何を学べるか」の記事。アフガン統一を目指す模様を、フランスのルイ14世が取った国家統一をケーススタディとして取り上げているのが面白いです。
“17世紀のルイ14世の時代においても、今のアフガンにおいても、国家権力に絶対的に必要なのは政治的権威と権威の中枢を作ること”を共通案件として記事は取り上げています。中央集権になることで、地方をなおざりにしては統一はなされないという観点で、17世紀のフランスではそれが地方の貴族と聖職者であり、現在のアフガンは軍閥、部族の長老、タリバーンであると論文では対比しています。
17世紀のフランスは、どう地方の有力者に対処したか?お金や土地を与えることで円満解決、もしくは王が持つ軍事力をちらつかせ、武力で中央集権を目指していきました。また、ヴェルサイユ宮殿に参内を求め、王が地方の貴族を監視でき、地方から権力者を物理的に離すことで、権力基盤を弱める利点がありました。加えて、地方からヴェルサイユに来た貴族も見返りとして報酬と、宮廷での贅沢生活を得られることができました。これは、王と地方貴族のwin-winの関係であったといえるでしょう。
このフランスの国家統一を例にとり、アフガンにも取り入れるべきではないか、というのがこの論文の主旨でありますが、確かに、タリバーンや地方の部族の長老などと取引をし、中央政府と地方にとってwin-winの関係が築ければ、地方が中央の話に耳を傾けてくれるかもしれません。
しかし、問題は地方にとっての見返りがまだ十分で無いところだと思います。論文でも触れていますが、中央の軍事力がまだ確固たるものがなく、アメリカの後ろ盾がちらつくようでは、アメリカの言いなりにはならない、という地方の考えもあることでしょう。軍事力だけではなく、政治的リーダーシップも、まだはっきりしないのも中央政府への集権がまだまだこれからの感が否めません。フランスの国家統一の時は、ルイ13世、14世といった、王のリーダーシップがあり、統一にもこぎつけたのかもしれませんが、アフガンはリーダーがまだまだ見えてこないというのが実感としてあります。
他にも興味深い論文がありました。中国人民元切り上げの特集1に関してです。人民元引き上げのアメリカから中国に向けての圧力は、ここのところずいぶんとニュースになっているので、興味深く5本の論文を読みました。
そもそも人民元切り上げとは何のことか?
今は1ドル=8.3元での固定相場ですが、これを例えば1ドル=7元などにして、1元あたりの価値を高めるのが人民元の切り上げです。元の価値があがるのだからいいのでは、と思う人がいるかもしれません。では、何が問題なのかというと、中国は他国をしのぎ安い労働力目当てで、どんどん中国に工場を作り、中国からの輸出によって経済を伸ばしています。しかし、これが人民元引き上げになると、今まで800元の価値の輸出品はアメリカは100ドルで買えていたものが、120ドルほど出さないと買えない事になります。中国外からしてみると、同じものの値段が上がってしまうわけなので、買い渋りが起こるでしょう。しかし、今、米中間はアメリカが対中国において貿易赤字で、中国の輸出に負けているので、中国のいけいけ輸出で中国が貿易黒字を抱え込む経済の流れを変えたい、というのが人民元引き上げなのです。
しかし、中国はもちろんYesといいません。第一中国自体が人民元引き上げをやりたいと思っていないからです。しかしアメリカを始め、諸先進国は、中国のひとり勝ちを経済の歪みとみなし、人民元引き上げないことには、世界の経済のインバランスは解消できないと見ています。
日本が固定相場制から変動相場制に変化したように、中国もその流れを受け入れなければならない時がもうすぐなのかな、と感じます。その時世界の経済市場はどう変化するか、私の関わるビジネスでも中国での生産物、また自社の製造も大いに関わっているので、直接関連することでもあります。しばらくは人民元の動きからは目が離せないですね。

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