【R+】おかえりなさい!COURRiER Japon 2010年7月号

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前号6月号から約1ヶ月半の充電を経て誕生した7月号はデザインと内容のリニューアルをした新生・クーリエ・ジャポンです。今か今かと楽しみにしていました。そして、おかえりなさい!

リニューアル号の表紙を飾るのがiPad!!DSC00581_640.jpg

今をときめくAppleの特集です。iPhone3GSからiPad,そしてiPhone4と世界中がその製品に陶酔しきっている今、まさに旬の特集。「アップルが世界を変える。」というタイトルで、主にiPadを通じて今後世界が変わるであろう、という記事が6本掲載されています。

活字離れ、といわれている中、iPadによって、ユーザーは、逆にじっくりと電子版の新聞や雑誌を読むことになったとのこと。これにより、今まで飛ばしがちだった誌面中の広告が注目されて始めています。広告を動画や高解像度の映像を組み合わせることで、コンテンツ並の面白いものとなり、その広告を読む読者が増え、新しい広告チャンスが生まれるかもしれません。新聞や雑誌,また広告の形態もiPadの出現により、今まさに変わろうとしているのを身を持って感じています。また、「iPadが創り出す、新しいライフスタイル」では実際iPadは気になるけど、どう使えばいいか、と悩んでいる人は一読すると良いかもしれません。そして、アップルが好きな人というのは、製品も好きなのですが、その会社自体や、そして、CEOのスティーブ・ジョブズ自体にものすごく興味のある人も多いでしょう。そんな方々には「iPad発売前夜のアップル本社」や「ビジネスの歴史が教えてくれる「ジョブズ革命」が目指すもの」が興味深いかと思います。

アップル特集の次に私が魅かれた記事は”世界が羨む「理想社会」北欧-その光の影”です。個人的に仕事の関係でスウェーデンやデンマークは何度か行ったことがあり、職場にはスウェーデン人が多いので、北欧は私に取っては割りと身近な存在です。今回特集では、スカンジナビアの3国(デンマーク、スウェーデン、ノルウェー)とフィンランドと全ての国を取り上げています。

まずはデンマーク、「世界一の”幸福先進国”デンマークの秘密とは」というタイトルでフランス人の記者の視点での内容。2006年の英国のレスター大学が行った幸福度ランキング調査で、堂々の1位を獲得したのが、デンマークです。(ちなみに2位はスイス、米国が23位、フランスが64位、日本は90位) タクシーの運転手のデンマーク人は収入が20%減ったが、幸せを示すアンケートでは10をつけるらしい。お金ではない、何がデンマークを幸せにしているのか??1つは静寂さであり、これはデンマーク人の少し控えめではあるが親しみやすく、他人に対しても協力的な性格が、他人をのけようと、クラクションを鳴らしすぎたり、大声で話すことをしないから、とのこと。フランス人の目から見ても、こう思うのですから、同じヨーロッパ人でもデンマーク人は違うと感じるのでしょうね。また、治安が良いことが、安心感を生み出し、幸せだとも感じるのだろうです。更に凄いのは政府のサポート。雇用を探すために移民に500ユーロをまず渡したり、失業保険と、失業訓練のサポートは手厚いとのこと、小国だからこそ、行き届く、良いシステムが出来上がっていることが、幸せへとつながっているのでしょう。

フィンランドの特集は「自殺率はなぜ半減したのか?」フィンランドが自殺大国だとは知りませんでしたが、長い間太陽のでない冬が長いという地理的な理由と、人口密度が少ないため、市民同士の交流が少ないことで、孤独を感じ、自殺する人が世界の中でも多いのだそうです。それまで、明確な理由もなく、ただ自殺率が高い、という事実だけあったものが、フィンランド政府が「自殺予防プロジェクト」を発足し、自殺者の詳細に心理的に解剖し、自殺に至った理由を明確化し、自殺予防プログラムを作成しました。プログラムを実際行い、自殺の可能性が高い人を早期に見つけ出し、迅速にカウンセリングを施したり、投薬治療を行ったりした結果、10年以上のプログラム実施の結果、10万人あたり30人だった自殺者が16.5人まで減ったとのことで、国を上げた自殺防止の成功例となっています。

スウェーデンの特集は「あらゆる個人情報が筒抜けに・・・スウェーデンの”透明社会”」。スウェーデンというのは個人情報が誰でも調べる事ができるのだそうです。ここで言う個人情報とは、免許証の番号、大学入試の結果、電話番号、住所でご親切にも家の写真までついているとのこと(!!)。課税所得と資産まで公開されているので、スウェーデンでは誰がどれだけ稼いでいるかは誰でも知っているらしいです。個人情報規制法でどんどん個人情報を規制しようとする日本の流れとはまるで反対です。誰でも個人情報が知られるのは危険なのでは、と思うでしょうが、当事者には照会しているのが誰か、名前が行くようになっているので(ここも透明性なシステムということです)、正当な理由無しに誰かの収入をこっそり調べることは、道徳的にできない、ということなのです。そもそも、個人情報がこんなに透明なのは、歴史をさかのぼると、1766年にスウェーデン議会がプロイセンとの戦争で独断で決行し、敗戦となったことで、政府を透明化しよう、と公的機関のありとあらゆる業務内容を閲覧できることにしたのが始まりだそうです。”個人や役所を透明化することで、より公平な社会になる”という考えが背景にあるようですが、非常に道徳的と感じました。日本の金と権力の腐敗した政府や天下り公的機関も見習って欲しい、と感じました。

もう一つの北欧国、ノルウェーは「ルス」と呼ばれる、高校卒業間近の18-19歳の若者が行うパーティ三昧の日々の話や、最後にはスカンジナビア+フィンランドの「北欧式ビジネスモデルは世界を救えるか?」ということで、人口は少ないが平等主義であり、格差が少ない北欧のビジネススタイルを紹介し、世界に応用できるか?の記事となっています。北欧の1国だけとかだけではなく、4国全ての記事を扱ったことで、今回の北欧特集はかなり力が入っている印象を受けました。

他の特集は、タイムリーさでは「南アフリカの街角で聞いた「W杯の期待と不安」」でしょう。W杯に向かって、ピッチの外でもドラマがたくさんあるようです。また先月号の尊厳死の特集に続き、今月号はまた異なる死へのアプローチということで、米国ミシガン州の冷凍人間施設の話も興味深かったです。

新しくなっても、全ページフルカラーで特集以外にも、アジア、中東、欧州、アフリカ、北米、中南米の世界各国ストーリーを展開するWorld New Headlineも健在です。また、新たにCourrier bis「クーリエの2番地」ということで、ネタ満載のビジネスページが今月号から登場しました。真ん中辺りに、本誌よりちょっと小さいページの大きさになっているので、指がひっかかりやすく、探しやすいです。ビジネスといえば、やはり来たか、中国の特集です。組立工場の役割でしかなかった中国が今、米国の研究所やデザインセンターを置くようになってきたとのこと。人件費が安いが、高い専門性を備えた技術者が中国にはたくさんいることを狙い、拠点を中国に徐々に広げて来ています。日本はこの点、人的コストという点では勝てないので、どんどん隣国中国にアメリカの息がかかった技術革新をとられてしまい、お声をかけてもらうこともできず、ただ見ているだけ・・・。土地も少なく、コストも高い日本は魅力的ではないのなら、どう世界に向かって立ち向かっていなかければならないのだろうか、と危機感を感じずにはいられません。

日本にいながら世界の記事が読めて、またたくさん考えさせられたクーリエ・ジャポンでした。やっぱり、日本にいるだけだと、毎日日本のことばかりでは狭い視野のままだと痛感します。忙しいとつい買うのも忘れてしまいますが、定期購読なので、自動的に配送されるのは助かります。来月も楽しみです。
※今月号はレビュープラスさん主催のレビューコンテストに本記事も参加しています。

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