| マルコム・グラッドウェル THE NEW YORKER 傑作選1 ケチャップの謎 世界を変えた“ちょっとした発想” | |
 |
マルコム・グラッドウェル 勝間 和代 講談社 2010-07-07 売り上げランキング : 6294 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
この本は7/7発売なのですが、レビュープラスさんを通じて、発売直前の先行レビューワーの募集をしていたので、すかさず応募したところ、レビューワーに選ばれました。
今回は発売前ということで、本ではなくてゲラ原稿が講談社から自宅に直送されてきました。（一緒に写っているのはこちらも発売前レビューをすることになったモチベーション3.0のゲラです）
著者はマルコム・グラッドウェルで訳者は勝間和代さんです。この二人の組み合わせでの出版は「天才！成功する人々の法則」以来の２作目かと思います。マルコム・グラッドウェルはワシントン・ポストを経て、ニューヨークの今を伝える雑誌「ニューヨーカー」で活躍中の記者です。
本書のテーマは「Minor Genius」。
一見小さな世界で、世界を変えるほどの大きな仕事をした人々の物語です。
第1章 ＴＶショッピングの王様
アメリカのキッチンを征服した男
第2章 ケチャップの謎
マスタードは十種類以上、
なのにケチャップは、なぜ同じ味？
第3章 ブローイング・アップ（吹っ飛び）の経済学
ナシーム・タレブが壊滅的損失の不可避性
(ブラックスワン)を投資戦略に転換させるまで
第4章 本当の髪の色
ヘアカラーと戦後アメリカの隠れた歴史
第5章 ジョン・ロックの誤解
避妊薬(ピル)の開発者が女性の健康について知らなかったこと
第6章 犬は何を見たのか？
カリスマ調教師 シーザー・ミランの“神業”
今回ゲラでは第1章～第3章まで先行的にいただきました。
第1章はロン・ポピールという、アメリカのＴＶショッピング界ではものすごく有名な人の話です。
彼のことについて調べてみると、1993年にイグ・ノーベル賞（「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる賞）で、「絶え間ない発明家、年がら年中深夜テレビで宣伝している人物」として消費者工学賞を受賞しています。イメージ的にはジャパネットたかたさんのような人だと思うのですが、ロン・ポピールのすごいところは、ＴＶショッピングで紹介する製品は、すべて自分が発明したキッチン用品だということです。つまり、ＴＶショッピングの見せ方だけではなく、製品開発もしてのけた、ということろに驚きました。
しかし、やはり彼の特筆すべき点は自分の売る商品を以下にしてお客に欲しいと思わせるか、です。
時に、実演販売人は立派な役者になれる、と人は言ったそうです。「商品を主役に仕立て上げる」ことをロンは成し遂げ、観客（お客）はそれを見て、お金を払う気持ちになる。まさに役者の立ち回りだと、妙にこの言い回しに納得しました。また、たくさんの人に買ってもらう手として、お客が50人いて25人が欲しいといったら、まず20人に売る。そして残りの5人には・・・・あることをして、さらに売り上げを伸ばす、ということも書いてあります。こういう戦略的なことは非常に興味深かったです。(続きは本でお楽しみくださいね。)
第2章は多分これは一番日本人になじみがあるであろう、商品でしょう。アメリカに行けばケチャップといえば必ず出てくるハインツの商品です。
日本ではデルモンテのケチャップが有名ですが、アメリカでは必ずこの品です。かつてアメリカではある会社のマスタードが有名だったのですが、後発他社が素材などを変えたら、後発組がシェア奪還した、という話があるそうです。それに続け、とケチャップに於いても後発の会社がハインツに挑みをかけます。しかし、どうしても勝てなかった、その理由は。。。。読んでみるとわかります。
個人的には今回ゲラではいただきませんでしたが、ヘヤカラーの話、避妊用ピルの話、犬の調教の話も大変興味がありますね。また、このようなエピソードを載せている、the new yorkerの雑誌自体も興味を持ちました。Web page がありましたので、読んでみようと思います。
The New Yorker
